アメリカで流行った黒帽派風水とは?
2017年1月20日、アメリカではトランプ大統領が就任しました。
アメリカ史上初公職経験のない大統領の誕生です。
ドナルド・トランプは実業家。不動産で財をなし、資産総額は5000億円以上とか・・。
ニューヨークのミッドタウンにあるトランプタワー始め、保有する不動産は数知れず。
彼は風水についてこんなコメントを残しています。
「風水を信じる必要なんてない、ただ私は風水によってお金を稼げることを知っている」
実業家トランプがいったいどんな風水でお金を稼ぐことができたのか、興味深いですね。
さて、そんなアメリカの風水。
アメリカでは風水をFeng Shuiと言い、オフィスビルや住宅、土地再開発など様々な分野で利用されています。ハリウッドなどのエンターテイメント業界でも風水を活用している会社も少なくありません。
Feng
Shuiがアメリカで聞かれるようになったのは1980年代。
トーマス・リンがBlack
Hat Sect(黒帽派風水)を流行らせたことにより、人々の間に知れ渡るきっかけとなりました。
黒帽派風水は正式名をBlack
Hat Sect Tantric Buddihist Feng Shuiと言い、タントラ仏教つまり密教のことです。
黒帽派風水では建物を8方位(東西南北+)に分け、それぞれの方位が持つ色やアイテムを置くというあまりにも簡易な代物で効果はほとんどありません。
中国伝統風水が数千年の歴史と考えると、黒帽派風水はたったの10数年。
南西が恋愛コーナー、東が家族の方位、お金は北が適しているなど、どの家も同じです。
日本の家相に近い理論です。
例えば、恋愛をアップするのには南西に赤色のアイテムを置けばよいという何とも単純なもの。
家の南西が「欠け」ている家に住む若きアメリカ人女性が「私の家の南西は引っ込んでいて、恋愛のチャンスが無いんです!どうしたらいいのでしょう!?」という焦りにも似た投稿があったのを覚えています。
意味のない八卦鏡やクリスタルを使っており、間違った風水が当時のアメリカで広まっていました。
黒帽派風水チャート:南西(KUN)にはRELATIONSHIPS/MARRIAGE(恋愛/結婚)と書いてある
しかし、中国伝統風水はそれほどシンプルではありません。
方位自体には吉凶の意味はなく、またそれぞれにあてはまる恋愛・家族・お金などという意味もありません。
家相もそうですが、黒帽派風水では建物の竣工年を問いません。
しかし、100年前に建った建物でも20年前でも来年建つ建物でも同じエネルギーというのはおかしな話です。
竣工年つまり建物の誕生日が一番大事な点で、中国伝統風水では竣工年を基にして建物の氣(エネルギー)を計算するのです。
この計算を玄空飛星(フライング・スター)と言います。
このメソッドでは詳細に建物の氣を分析することができ、たとえばどの年にどの方位にレメディ(対処法)を置くことで金運アップするのか分かります。
(つづく)